このシールドにより、ArduinoまたはArduino互換ボードから、2つの大電力DCモータを簡単に制御できます。MOSFETで構成された2つのHブリッジは、6.5V~40Vの広い動作電圧と、ヒートシンク無しで連続14Aを十分に供給できます。ドライバは、基本的な電流検出と電流制限機能があり、より静かな動作となる超音波PWM周波数で使用できます。Arduinoのピン接続を、標準で不便な場合は全て変更できるよう設計されています。モータドライバの制御はシールドの左側に別に配置されていて、Arduino以外でも汎用的なモータドライバとして使用できます。
デュアルG2ハイパワーモータドライバシリーズは、2つの大型ブラシ付きDCモータを動作させるよう、MOSFETで構成されたHブリッジ2式が実装されています。Arduinoシールドのフォームファクタとなっているため、ArduinoやA-Star 32U4 Primeのような互換ボードに直接取付けられます。Arduino以外でも汎用的なモータドライバとして使えるように、左側にモータドライバの全てのピンが出ています。ドライバには4つのバージョンがあり、プロジェクトに適した動作電圧範囲と出力電流の製品を選択できます。
![]() Pololu デュアルG2ハイパワーモータドライバ 18v22 Arduinoシールド ![]() | ![]() Pololu デュアルG2ハイパワーモータドライバ 18v18 Arduinoシールド ![]() | ![]() Pololu デュアルG2ハイパワーモータドライバ 24v18 Arduinoシールド ![]() | ![]() Pololu デュアルG2ハイパワーモータドライバ 24v14 Arduinoシールド ![]() | |
---|---|---|---|---|
絶対最大入力電圧 | 30 V | 40 V | ||
最大公称バッテリ電圧 | 18 V | 28 V | ||
1ch最大連続電流 | 22 A | 18 A | 18 A | 14 A |
標準動的電流制限しきい値 | 60 A | 50 A | 40 A | |
電流検出出力 | 10 mV/A | 20 mV/A |
4つのバージョンすべての最小動作電圧は6.5Vです。最大動作電圧は上の表の通りですが、Arduinoを動作させる定格電圧には高すぎるため、 接続されているArduinoやArduino互換ボードをひとつの電源で動作できるよう、使用するか選択できる7.5V 1Aのスイッチングレギュレータ電源回路を搭載しています。このレギュレータは、標準の7.5Vからより使いやすい5V出力に設定ができます。そして、標準のピン配置で不便な時は、Arduinoの接続先ピン配置を変更できます。
デュアルモータドライバは、Raspberry Pi拡張ボード版もあります。1チャンネル版でさらに小型なボードには、ハイパワーモータドライバ
を検討してください。さらに小電力で低コストなArduinoシールドには、Pololu デュアルMC33926モータドライバ Arduinoシールド
を検討してみてください。
24v14モータドライバシールドと他のバージョンとを見分ける方法は、青色基板で、銀色の電解コンデンサのうえに100と数字があります。
モータドライバボードには、すべての表面実装部品が実装された状態で出荷されます。ただし、付属するスルーホール部品の取り付には、はんだ付が必要になります。付属するスルーホール部品は次の通りです。
0.1インチ ジャンパーピンも付属しています。(Arduinoシールド電源を選択してArduinoへの供給用)
電源とモータ電源を取付けるため、大きな6個のスルーホールへ端子台をはんだ付することも、小さいスルーホールへ1×12 0.1インチ ピンヘッダを分割ピンヘッダを切りはんだ付けすることもできます。ただし、端子台の定格は16Aまでで、ピンヘッダは2つ合わせて6Aまでのため、高出力のアプリケーションでは、太い線を直接はんだ付する必要があります。
Arduinoシールドとして使用しないときは、基板の左側にある制御用コネクタに0.1インチヘッダピンをはんだ付してブレッドボードやカスタムのケーブルを接続して使用したり、電線を直接はんだ付してコンパクトに使用できます。注意として、モータやモータ電源は、ブレッドボード経由で供給しないでください。
モータドライバには、6個の100μFまたは150μFの電解コンデンサが取付けられており、さらに追加のコンデンサを取付ける場所があります(例えば、長い電源線を補償するためや、電源の安定性を高めるため)。通常は、電源のコンデンサを追加する必要はなく、追加用のコンデンサはモータドライバに付属していません。
2つの取り付け穴は、#4ネジ(付属していません)用です。
ドライバの電流検出ピンM1CSとM2CSは、Hブリッジが動作している間、モータの電流に比例した電圧を出力します。出力電圧は、18v22版で約10mV/A、その他の版では約20mV/Aに、小さなオフセット(通常約50mV)を足した出力です。
ドライバは、電流チョッピングによりモータ電流を制限できます。モータ供給電流が設定したしきい値になると、ドライバは約25μs間ブレーキモード(低速減衰)になり、その後モータを再び駆動します。これにより、動作中は数Aしか使わないが、始動時に数倍(数10A)必要となるモータを、ドライバで使用できるようになります。VREFピンと横のGNDピンの間に、抵抗を追加することで制限値を下げることができます。
電流検出フィードバックと電流制限の詳細は、ユーザガイド(英語)をご覧ください。
MOSFETは、短時間で大きな電流スパイク(例えば数ミリ秒で100A)を扱うことができ、ドライバの電流チョッピングは設定電流以下に平均電流を保ちます。ピーク定格出力は、急な過渡現象(例えばモータを最初にオンした時)に対するもので、連続定格出力の25Aは周囲の環境温度などさまざまな状況に依存します。モータをPWM制御すると、周波数に比例して過熱していきます。実際の電流は、ドライバを冷たく保つことができるかに依存します。ドライバのプリント基板は、MOSFETから熱を逃がすように設計されていますが、ヒートシンクを使うことで性能を向上させることができます。
警告:このモータドライバは、過熱遮断はありません。過熱や過電流状態により、モータドライバは恒久的な損傷を受ける可能性があります。ドライバの内臓電流検出出力や外部の電流センサを使い電流を監視するのも検討した方が良いです。
通常動作中でも、この製品はやけどするほど熱くなることがあります。この製品や接続された他の部品の取扱に注意してください。
ピン配置互換の1出力 G2ハイパワーモータドライバが4種類と、2出力のデュアルG2ハイパワーモータドライバが8種類あります。2出力のドライバのうち4種類は、Arduinoシールドのフォームファクタです。他のコントローラ(マイコンボード)の汎用モータドライバとしても使用できます。他の4種類は、Raspberry Pi HATと互換のあるRaspberry Piボードのフォームファクタです。G2ドライバの比較表は次の通りです。
モータチャンネル数 | 名称 | 絶対最大入力電圧 | 最大バッテリ公称電圧 | 1Chあたりの最大連続電流 | 標準動的電流制限しきい値 |
---|---|---|---|---|---|
1 | G2ハイパワーモータドライバ 18v25 ![]() | 30 V | 18 V | 25 A | 60 A |
G2ハイパワーモータドライバ 18v17 ![]() | 17 A | 40 A | |||
G2ハイパワーモータドライバ 24v21 ![]() | 40 V | 28 V | 21 A | 50 A | |
G2ハイパワーモータドライバ 24v13 ![]() | 13 A | 30 A | |||
2 | デュアルG2ハイパワーモータドライバ 18v22 Arduinoシールド ![]() | 30 V | 18 V | 22 A | 60 A |
デュアルG2ハイパワーモータドライバ 18v18 Arduinoシールド ![]() | 18 A | 50 A | |||
デュアルG2ハイパワーモータドライバ 24v18 Arduinoシールド ![]() | 40 V | 28 V | 18 A | 50 A | |
デュアルG2ハイパワーモータドライバ 24v14 Arduinoシールド ![]() | 14 A | 40 A | |||
Raspberry Pi対応デュアルG2ハイパワーモータドライバ 18v22 ![]() | 30 V | 18 V | 22 A | 60 A | |
Raspberry Pi対応デュアルG2ハイパワーモータドライバ 18v18 ![]() | 18 A | 50 A | |||
Raspberry Pi対応デュアルG2ハイパワーモータドライバ 24v18 ![]() | 40 V | 28 V | 18 A | 50 A | |
Raspberry Pi対応デュアルG2ハイパワーモータドライバ 24v14 ![]() | 14 A | 40 A |
メモ: モータドライバの代わりに、シンプルモータコントローラが、同等の電気特性があり、高水準のインタフェース(USB、R/Cサーボパルス、アナログ電圧、TTLシリアルコマンド)を提供しています。用途によっては使いやすいくなります。