小型同期整流式降圧スイッチングレギュレータは、最大50Vの入力電圧から効率よく9Vへ降圧します。基板サイズはわずか17.8 x 20.3mmで、定格最大連続出力電流は入力電圧に依存しますが2.3A~3.4A供給でき、センサや小型モータなどの動作に適しています。オプションのイネーブル入力を使用して、消費電流が入力電圧1Vあたり10μA~20μAの低消費電力状態にできます。逆電圧保護や、適切な出力電圧が維持されているかを示すPower-Good出力機能があります。ピンの間隔は0.1インチのため、ブレッドボードやユニバーサル基板で使用できます。
降圧型電圧レギュレータD36V28Fxファミリは、最大50Vの入力電圧から低い電圧を作り出します。これらのスイッチングレギュレータ(スイッチモード電源(SMPS)やDC-DCコンバータ)は、リニア電圧レギュレータよりはるかに効率が良く、特に入力電圧と出力電圧差が大きいときに効率が良いです。レギュレータは、2A~4Aの連続出力電流を概ねサポートしています(下記の「最大連続出力電流」の章をご覧ください)。出力できる電流は、高圧版より低圧版の方が少し多く、入力電圧が高くなるにつれ減少します。
このファミリには、3.3V〜12Vの範囲で固定出力電圧の6つのバージョンがあります。
このレギュレータには、最大40Vの逆電圧保護、出力の低電圧と過電圧保護、過電流保護、短絡保護機能があります。過熱シャットダウン機能により過熱による損傷を防ぎ、ソフトスタート機能により突入電流を制限し、起動時の電圧を徐々に上昇させます。
これらのモジュールは、Pololuのラスベガス自社工場内で製造しています。プロジェクトのニーズにより合うよう、カスタマイズした部品を使用したレギュレータを柔軟に製造できます。たとえば、入力電圧が常ね20V以下で、効率がとても重要なアプリケーションでは、40Vの逆電圧保護MOSFETを20Vに置き換えることで、レギュレータの高負荷時の効率を改善できます。出力電圧もカスタマイズできます。もし、カスタマイズに興味があるときは連絡してください。(朱雀技研(日本語)またはPololu(英語)へお問い合わせください。)
このレギュレータには、Power-Good(PG)、イネーブル(EN)、入力電圧(VIN)、出力電圧(VOUT)、および2つの接地(GND)の、6つの端子があります。
Power-Good表示のPGは、レギュレータの出力電圧が、公称電圧より20%以上上昇するか、10%以上減少する(ヒステリシス付き)の時にLowになるオープンドレイン出力です。このピンを使用するときは、外部プルアップ抵抗が必要です。
ENピンは、100kΩ抵抗で逆電圧保護されたVINへプルアップされており、標準でレギュレータ出力が有効です。ENピンをLow(0.4V未満)にすると、モジュールはスリープモードになります。スリープモードでの静止電流は、ENからVINへのプルアップ抵抗の電流と逆電圧保護回路が強く影響し、入力電圧1Vあたり10μA~20μAを消費します。もしこの機能が不要なときは、ENピンを未接続にしておくことができます。
入力電圧VINは、レギュレータに電源を供給します。VINには、50Vまでの電圧を印加できます。一般的に、VINの実質的な下限値は、VOUTにレギュレータのドロップアウト電圧を加えた電圧で、負荷に対してほぼ直線的に変化します。(下記のドロップアウト電圧のグラフをご覧ください)
VOUTは、安定化された出力電圧です。
6つの端子は、0.1インチ間隔で配置され、ブレッドボード、コネクタや他の0.1インチ間隔のプロトタイピング用品と接続できます。PG端子のみ基板の端に配置されていません。6×1ストレートピンヘッダと、5×1直角ピンヘッダがレギュレータに付属していて、ストレートピンヘッダの1本を切り離して、PGへはんだ付けできます。
電圧レギュレータの効率は、(出力電力)/(入力電力)で定義され、性能の重要な指標です。特に、電池寿命や熱を考慮するときに大切になります。
レギュレータが出力できる最大出力電流は、入力電圧により変わりますが、周辺温度や、エアフロー、ヒートシンクなどの他の要因によっても異なります。下のグラフは、レギュレータを室温に空気中に静止させ追加のヒートシンク無しの状態で、連続的に供給できる最大出力電流を示しています。
通常動作中に、やけどするほどに熱くなることがあります。本製品や接続している他の部品を取り扱うときは注意してください。
静止電流は、レギュレータ自体が電源供給のため使用する電流で、各レギュレータの入力電圧との関係を次のグラフに示しています。モジュールのEN入力をLowにすると、スリープモードになり、入力電圧1Vあたり10μA~20μAを消費します。
降圧型レギュレータのドロップアウト電圧は、目標電圧を確実に出力するために、レギュレータ目標出力電圧から上回らなければいけない入力電圧の最小量です。たとえば、5Vのレギュレータで1Vのドロップ電圧のとき、出力が5Vになるためには、入力を6V以上にする必要があります。一般的に、ドロップアウト電圧は、出力電流が増えると上昇します。次のグラフは、各レギュレータのドロップダウン電圧を示しています。